プログラムノート

第68回 2018年12月1日(土)「楽しんでヽ(^o^)丿」

J.シュトラウスⅡ:オペレッタ『こうもり』序曲 第2幕「歌え、踊れ!」
モーツァルト:モテット『踊れ、喜べ、幸いなる魂よ』より「アレルヤ」
ヘンデル:オラトリオ『メサイア』より「ハレルヤ・コーラス」
ビゼー:『アルルの女』第2組曲より「パストラール」「ファランド―ル」※こども奏者との共演
ラター:『マニフィカト』より「グロリア・パトリ」
エルガー:行進曲「威風堂々」第1番

「こども定期演奏会2018」テーマ曲
石﨑ひかり:『小さなあさのコンサート』

石﨑ひかりさん(小学校2年生)からのコメント
 はじめてつくったきょくがえらばれて、びっくりしています。
 『小さなあさのコンサート』は、せかいじゅうのひとが、音がくでつぎつぎに目をさまして、コンサートにあつまってくるイメージのきょくです。じぶんのつくったメロディーがオーケストラにアレンジされたら、どんながっきでえんそうされるのか楽しみです。たくさんの人にきいてもらうなんて、ドキドキしています。

飯田有抄(クラシック音楽ファシリテーター)


J. シュトラウスⅡ世:オペレッタ『こうもり』序曲 第2幕「歌え、踊れ!」

 作曲者は、音楽の都ウィーンの人気者、ヨハン・シュトラウスⅡ世(1825~99)です。彼が活躍していたころのウィーンでは、人々が朝まで踊り続ける舞踏会がとてもさかんで、シュトラウスⅡ世はワルツ(男女が手を取り合って、すばやくクルクルと回転する踊り)の音楽をたくさん作り、「ワルツ王」と呼ばれていました。
 シュトラウスⅡ世によるオペレッタ(楽しい歌の劇)の『こうもり』には舞踏会のシーンがあり、華やかな音楽に彩られています。タイトルの「こうもり」というのは、物語の登場人物であるファルケが、ある仮面舞踏会で「こうもり」の衣装をつけていたことに由来しています。ファルケは、「こうもり」姿の自分に恥をかかせた友人のアイゼンシュタインに、ひそかに仕返しをしようと考えていました。そこで別の舞踏会で、とんだ騒動を巻き起こすのです……。
 この愉快なオペレッタは大成功となりました。序曲は勢いよく始まり、舞踏会で人々が踊る軽快な3拍子のワルツやメランコリックなメロディー、喜びあふれるポルカ(2拍子の素早い舞曲)など、オペレッタの様々な場面を想像させてくれます。「歌え、踊れ!」は、舞踏会に集まった人々がワクワクとした気持ちで歌う曲です。


モーツァルト:モテット『踊れ、喜べ、幸いなる魂よ』K. 165 より 「アレルヤ」

 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756~91)が17歳になる直前に作曲した、モテットと呼ばれるキリスト教の歌です。タイトルどおり、神様に愛される喜びが明るさいっぱいに表現された作品です。モーツァルトはお父さんに連れられて、子どもの頃からヨーロッパのあちこちを旅していましたが、この曲はイタリアのミラノを訪れたときに作られました。イタリアでは歌がとてもさかんで、とくにカストラートという、手術により高い声で歌うことのできた男性の歌手が人気でした。モーツァルトはその見事な歌声に、とても驚きました。そこで、あるカストラート歌手のためにこの美しい曲を書いたのです。現在ではカストラート歌手はいません。ソプラノという高い音域で歌う女声歌手によって歌い継がれています。作品は全部で3つの楽章からなりますが、今日は最後の楽章「アレルヤ」を聴いてもらいましょう。アレルヤとは、神様をほめたたえましょう、という意味の言葉です。


ヘンデル:オラトリオ『メサイア』HWV 56 より 「ハレルヤ・コーラス」

 「メサイア」とは、キリスト教では救い主、つまり人々を救ってくれるイエス・キリストのことです。イギリスの作曲家ジョージ・フリデリック・ヘンデル(1685~1759)は、キリストが生まれ、十字架にくくりつけられて亡くなり、そして復活するまでのお話を、オラトリオという歌とオーケストラによる音楽劇によって描き出しました。クリスマスの時期になると、コンサートでもよく演奏されますが、なかでも「ハレルヤ・コーラス」はとても有名です。「ハレルヤ」とは「アレルヤ」と同じ意味。神様とキリストをほめたたえる合唱曲です。


『アルルの女』第2組曲 より 「パストラール」「ファランドール」

 オペラが大好きだったジョルジュ・ビゼー(1838~75)は、36年という短い生涯でたくさんのオペラを作りました。中でも最後のオペラとなった『カルメン』はとても有名です。『アルルの女』は『カルメン』よりも少し前に、演劇に付ける音楽として作曲されました。劇は青年の悲しい恋を描いたお話です。ビゼーはわずか数週間で音楽を書き上げたといいます。このお芝居は、残念ながらあまり人気にならなかったのですが、ビゼーは自分が書いた音楽から4つを選び、組曲としてまとめました。それは『アルルの女』第1組曲として知られています。
 第2組曲は、ビゼーが亡くなったあと、友達のエルネスト・ギローという作曲家が、劇からさらに4曲を選んでまとめたものです。今日はその中の第1曲「パストラール」と第4曲「ファランドール」を聴いていただきます。「パストラール」(牧歌的、という意味)は、ゆったりとした音楽で始まり、中間部では印象的なリズムが響いてきます。「ファランドール」とは、南フランスのプロヴァンスという地方に伝わる踊りの音楽。堂々としたメロディーに続いて、スピーディーな舞曲が展開していきます


ラター:『マニフィカト』 より 「グロリア・パトリ」

 作曲者のジョン・ラターは、1945年にロンドンで生まれた人で、73歳の今も活躍しています。少年時代から聖歌隊で音楽を学び、クリスマス・キャロルや『子どもたちのためのミサ曲』など多くの合唱曲を作ってきました。ケンブリッジ・シンガーズというプロの合唱団を結成し、指揮者としても活動。そんなラターの音楽は、聴いても歌っても楽しく美しい作品ばかり。1990年に作られた『マニフィカト』はラターの代表作のひとつです。マニフィカトとは、神様を崇めるキリスト教の歌です。作品は全部で7曲からなりますが、今日はソプラノと合唱とオーケストラがとても華やかに演奏する「グロリア・パトリ」(神様の栄光を願う歌)を聴いてもらいましょう。


エルガー:行進曲『威風堂々』 作品39 より 第1番 ニ長調

 『威風堂々』とは、とても立派な様子を表した言葉です。日本語の「いふうどうどう」という響きからも、そんな雰囲気が伝わりますね。さて、イギリス人作曲家のエドワード・エルガー(1857~1934)による「威風堂々」とは、曲集のタイトルです。行進曲をまとめたもので、全部で5曲からなります。本日お聴きいただくのはその中の第1番です。その名の通り、堂々たる輝きを放つこの曲は、曲集の中でもっともよく知られており、コンサートでもよく演奏されています。1901年に書かれたこの曲の、中間部のメロディーは、1902年にイギリスで新しい王様が誕生したときの儀式で演奏されました。その時に歌詞もつけられた「希望と栄光の国」という歌になりました。今日はその部分を合唱付きで演奏します。今もイギリスでは「第二の国歌」として人々に愛されています。