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2007年9月1日(土) |
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■ヴェルディ:オペラ『アイーダ』から凱旋行進曲 |
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ジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)は、たくさんのオペラを作曲したイタリアの作曲家です。『アイーダ』はとくに有名な作品で、世界中の劇場で上演されています。
物語の舞台は、世界で最も長い川であるナイルのほとり、エジプトです。アイーダは、エチオピアという国の王女。敵のエジプトにとらえられ、いまはどれいとなっていますが、だれも彼女の本当の身分を知りません。アイーダと、エジプトの将軍ラダメスとは恋人どうし。
戦いに出かけるラダメスを見送りながら、アイーダは、恋人の勝利を願う気持ちと、祖国であるエチオピアの勝利を願う気持ちとの間で、心を引きさかれるような思いです。
戦いはエジプトの勝ちでした。聴いていただくのは、勇ましく行進して帰ってくるエジプト軍を、エジプトの王や王女、たくさんの人々が、よろこびの声をあげて出むかえる場面の音楽です。 |
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■合唱:東響コーラス |
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| 1987年に発足した東京交響楽団直属の混声合唱団。指導には一流の合唱指揮者、発声指導者、伴奏ピアニスト、語学指導者を招いている。公演毎に出演者を決定するオーディションをおこない、常に演奏の質を高めている。バロック音楽から20世紀音楽までを歌い大きく成長している。 |
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■バーンスタイン:『ウエスト・サイド・ストーリー』から「マンボ」 |
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| レナード・バーンスタイン(1918-90)は、アメリカの作曲家。指揮者としても有名な人でした。『ウエスト・サイド・ストーリー』の舞台は、大都会ニューヨーク。この町には、世界中からやってきたいろいろな人々が住んでいます。民族も、言葉もまったくちがう人々が集まるわけですから、時にはけんかが起きることもあります。町の二つの不良グループ――白人たちの「ジェッツ」と、カリブ海の島プエルトリコから来た「シャークス」も、いつもいがみあっていました。ジェッツの元リーダーのトニーは、ある日、ダンス・パーティーに出かけ、そこでシャークスのリーダーの妹、マリアと出会います。「マンボ」は、シャークスたちの踊り。不良たちはダンスでもはりあい、今にもけんかが始まりそうです。けれども、恋してしまったトニーとマリアだけは、まわりのことは何も目に入らず、おたがいをみつめあっています・・・。 |
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■スメタナ:交響詩『わが祖国』から「モルダウ」 |
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ベドジフ・スメタナ(1824-84)は、チェコの作曲家です。そのころチェコは、今のように独立した国ではなく、となりの国オーストリアに支配されていました。その中で人々は、自分たちの文化にほこりを持つことの大切さを、強く感じるようになります。スメタナは、音楽の力で美しい祖国のすがたを描き、人々の心をはげまそうとしました。
彼は、チェコの自然や、人々が語りつたえてきた物語を題材にして、『わが祖国』という六つの曲を書きました。それらは、絵のように生き生きと自然を描き、詩のように力強く人々の心を打つことから、「交響詩」とよばれます。きょう聴いていただくのは、そのうちの「モルダウ」です。モルダウは、チェコの大きな川の名前で、チェコ語では「ヴルタヴァ川」と言います。人々は、この川を自分たちの心のふるさとのように思っています。
小さな水の流れが、やがて一つの川となります。深い森や広い草原を通り、人々が働く畑を通って流れていきます。夜は、白い月の光のもとで、妖精たちが水あびをしているのが見えます。夜が明けて、きらきらと輝く水面の向こう、高い岩の上には、古い城のすがたも見えてきます。流れはますますはやくなり、ついに大きな川となって、チェコの首都、プラハの町をゆうゆうと流れていくのです…。 |
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■J.シュトラウスII:ワルツ『美しくきドナウ』 |
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ヨハン・シュトラウス(1825-99)は、オーストリアの作曲家。彼が活躍したウィーンは、
「音楽の町」とよばれることがありますが、それは、ここに有名なオーケストラがあったり、
たくさんの音楽家たちが集まってきたりするからだけではありません。ヨーロッパで二番目に大きな川であるドナウ川、市民がいこうウィーンの森など、町中のいたるところに有名な音楽のふるさとがあるからなのです。
とりわけ、町のまん中を流れるドナウ川は、ウィーンの町のシンボルです。人々は、朝に、晩に、この川をながめ、水の流れのリズムとともに生活しています。そんなウィーンの人々にとって、『美しく青きドナウ』は、まさに生活そのもの、人生そのものといってもよい音楽なのです。 |
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■R.シュトラウス:アルプス交響曲から |
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滝にて〜幻影〜花咲く草原にて〜高原の牧場にて〜頂上〜景観〜霧が立ち昇る〜終結〜夜
リヒャルト・シュトラウス(1864-1949)は、ドイツの作曲家です。彼は、小さい時からいつも、
ホルン奏者だったお父さんと一緒に劇場に行き、指揮者やオーケストラの人たちともなかよ
しでした。ですから、どの楽器がどんな音を出すか、楽器と楽器を組み合わせるとどんな響きがするか、だれよりもよく知っていたのです。
『アルプス交響曲』は、その彼が、オーケストラの「音の絵の具」を使って、雄大な自然のすがたを生き生きと描いた作品です。中学生くらいのころ、アルプス登山をしたシュトラ
ウスは、自然の美しさときびしさを体験します。その時のことが彼の心に強く残っていて、
この曲のアイディアのもとになったといわれています。さあ、夜明けとともに山登りに出発です。森の中を、鳥たちの声を聞きながら歩いてい
くと、その先には、水しぶきをあげる滝が待っています。やがて、羊や牛たちのいる緑の
牧場にやってきました。風が、牛たちの首につけたベルの音を運んできます。けわしい道を
ぐんぐん登っていくと、ついに頂上に到着!
すばらしいながめです!
ところが山の天気は変わりやすく、みるまに霧がたちこめて、はげしい嵐になってしまいます。ようやく嵐が
おさまると、美しい夕焼けの風景が広がり、やがて静かな夜がやってきます・・・。 |
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音楽の情景 |
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みなさんは夏休みの間、何をしてすごしましたか。思い出に残っているできごとはありますか。何か特別なことがあった時、すばらしい景色を見た時、忘れないように写真にとっておきたいと思いませんか。楽しいことがあった時、すてきな人と出会った時、その気持ちを日記に書いておこうと思いませんか。音楽家は、それを音楽で描きます。音楽には形がないから、画家のように何かを描くのはむりだよ、ですって? でも、ほんとうにそうでしょうか。
作曲家たちは、チューブに入った絵の具こそ持っていませんが、そのかわり、形のないもの――たとえば、人間の気持ちも描ける「音の絵の具」を持っています。音の絵の具は、もしかすると、画家の使う絵の具よりも多くの色があるかもしれません。もちろん演奏者も、みなひとりひとりの「音の絵の具」を持っています。音楽家たちは、弦楽器、木管楽器、金管楽器、打楽器、そして人間の声が持っている、信じられないくらいたくさんの音色を使って、音楽の絵を描くのです。でも「音の絵の具」は、じつはみなさんも持っているんですよ。音楽を聴きながら、心の中にうつるものをじっと見つめてみてください。つぎつぎにうつり変わっていく「音の色」を感じてみてください。写真や、絵や、言葉では表せない、音楽だけが描くことのできる、特別な風景が見えてくるにちがいありません。
きょう聴いていただく音楽の中からも、さまざまな景色が見えてきませんか。『アルプス交響曲』からは、アルプスの高い山のすがすがしい空気が伝わってきます。『モルダウ』や『美しく青きドナウ』の中には、川の流れる美しい森や草原だけでなく、その川とともに生きる人々のくらしが見えてくるようです。自分たちの国、文化、そして命のシンボルとして、川を愛する人々の気持ちが、音楽の中に表われています。また『マンボ』の中には、貧しくても、苦しくても力強く生きる人間の姿と、人間の心が描かれています。目に見えないにくしみや悲しみ、そしてそんな気持ちを生み出した、貧しさや暴力への怒り。音楽には、そうした人間の心の中までも描くことができるのです。 |
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