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プログラム・ノート
   
プログラム 2004年4月17日(土)
 
第9回 胸躍る管弦楽曲
バッハ作曲 管弦楽組曲第3番 ニ長調から 「序曲」
モーツァルト作曲 ディヴェルティメント ニ長調 K.136から 第1楽章
ブラームス作曲 ハンガリー舞曲 第1番&第5番
モーツァルト作曲 ピアノ協奏曲第23番 イ長調K.488から 第3楽章
ムソルグスキー作曲(ラヴェル編曲) 組曲「展覧会の絵」から「キエフの大きな門」
 
 プログラムノート 有田 栄(音楽学)
   バッハ作曲 管弦楽組曲 第3番 ニ長調から 「序曲」
 
ヨハン・ゼバスティアン・バッハ(1685-1750)は、今から300年ほどまえに活躍していたドイツの作曲家です。バッハがいたライプツィヒの町では、毎週、大学生による演奏会が開かれていました。『管弦楽組曲』も、そこで演奏された人気の曲目のひとつだったといわれています。
「組曲」とは、いくつかの小さな曲を集めたもののこと。『管弦楽組曲第3番』も全部で5曲からできていますが、「序曲」はその最初の曲です。はじめは、「ターン、タ、ターン、タ・・・」というリズムに乗って、はなやかですが、ゆっくりとした重々しい感じの音楽。つづくまんなかの部分は、速くて軽やかな音楽。ここは、いくつかのメロディが追いかけっこをするようにつぎつぎと出てくる、「フーガ」という種類の音楽です。それが終わると、また最初の音楽がもどってきます。
 この「序曲」のような特ちょうをもつ音楽は、バッハより少しまえの時代にフランスの宮廷で流行したことから、「フランス風序曲」と呼ばれます。これを聴いた有名な作家のゲーテは、「美しく着かざった人々の行列が、階段を下りてくる場面のようだ」といいましたが、まさにそんな感じがしませんか?
 
   
   モーツァルト作曲 ディヴェルティメント ニ長調 K.136から 第1楽章
 
ウォルフガング・アマデウス・モーツァルト(1756-91)は、こどものころから父に連れられて、ヨーロッパ中を旅していました。外国の生活や、人々との出会いは、彼の心にいつも新しい音楽を生み出しました。
この『ディヴェルティメント』は、モーツァルトが16歳の時に書いた作品。彼は、そのころイタリアに旅行して帰ってきたばかりでした。きっと、イタリアの美しい弦楽器の響きが忘れられなかったのでしょう。題名の「ディヴェルティメント」は、「きばらし」という意味で、かろやかなふんいきの合奏曲のことです。
 
   
   ブラームス作曲 ハンガリー舞曲 第1番&第5番
 
『ハンガリー舞曲』は、19世紀ドイツの作曲家、ヨハネス・ブラームス(1833-97)が35歳のときに書いた作品。ここには、ハンガリーの音楽――とくに「ロマ」の人々の音楽がたっぷりと入っています。ロマは、昔からその場にあるものを何でも使って即興的に音楽を作り、目が回るような速い指の動きで、情熱的な演奏をすることが得意です。ブラームスは、レメーニイというヴァイオリニストから、このロマの人たちの音楽を聴かせてもらい、すっかりとりこになってしまいました。さっそく作品にしたのが、この『ハンガリー舞曲』です。もとは、ピアノの連弾曲ですが、聴いていただくのはオーケストラ用に編曲したものです。
第1番も第5番も、テンポや気分のちがう音楽を組み合わせて、A-B-Aという3つの部分からできています。第1番でメロディの間に聴こえる、こまかい粒がパラパラと流れ落ちるような音は、ハンガリーの「ツィンバロン」という楽器をまねしたものです。
 
   
   モーツァルト作曲 ピアノ協奏曲第23番 イ長調K.488から 第3楽章
 
こんどは、モーツァルトが30歳の時に書いた作品です。「協奏曲」というのは、ソロ(独奏)とオーケストラが、おたがいに対話したり、時には競いあったりしながら一つの音楽を作っていく曲です。協奏曲では、ソリスト(ソロを弾く人)は、そのすぐれたうでまえを思うぞんぶんに発揮して、聴いている私たちを楽しませてくれます。
 モーツァルトは、ピアノやヴァイオリンのために、たくさんの協奏曲を書きました。ピアノ協奏曲では、たいてい自分でピアノのソロを演奏したと言われています。そんな時モーツァルトは、ピアノが弾くところを、楽譜にきちんと書きませんでした。音楽はみな頭に入っているので、楽譜は必要なかったのでしょうね。
きょうのソリストはどうするのだろう…と心配する必要はありません。この曲は例外で、ピアノのパートもすべて書いてあります。だれか別のピアニストのために書いた曲なのかもしれません。これはたいへん有名な曲ですが、聴いていただく第3楽章は、「ロンド形式」といって、同じメロディ(主題、テーマ)を何度もくりかえす音楽です。メロディがくりかえされるたび、ハーモニーの色がさまざまに変わっていきます。
 
   
   ムソルグスキー作曲(ラヴェル編曲) 組曲「展覧会の絵」から「キエフの大きな門」
 
モデスト・ペトロヴィチ・ムソルグスキー(1839-81)は、19世紀にロシアで活躍した作曲家です。オペラや歌曲などのジャンルで、すぐれた作品を書いたことで知られています。
ムソルグスキーの友人に、若いときに亡くなってしまったハルトマンという画家がいました。そのハルトマンの展覧会に出かけたムソルグスキーは、たくさんの絵を見ているうちに、この『展覧会の絵』の音楽を思いついたのだと言われています。音の「展覧会」に登場する絵は、地下に住むよう精や、カラをかぶって踊るひよこなど・・・。どの曲も、絵に描かれている人や景色が、音の中からとび出して動いているかのような、いきいきとした音楽です。
「キエフ(町の名前)の大きな門」は、この組曲の最後の曲。大きなアーチと、鐘のついた塔のある立派な門の絵です。聴こえてくるのは、その鐘の音でしょうか、きらびやかなロシアの教会から流れてくる讃美歌でしょうか…。もとはピアノのための曲ですが、20世紀になってからラヴェルという作曲家が、オーケストラ用に編曲しました。
   
 
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第9回プログラムノート
 
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